新潟県内の県立高校では8日、新型コロナウイルスの影響で休止していた部活動が再開された。私学の中越は、学校独自の判断で5月25日に授業を再開。部活も敷地内に限り、時間制限付きで行ってきたが、8日から校外練習も可能となった。陸上部の長距離陣は長岡市営陸上競技場に出かけて練習を行った。

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中越長距離陣が、全員一緒に長岡市営陸上競技場で走るのは今年になって初めてだ。密集を避けながら、選手たちはトラックの外周を約40分間ジョギングした。3月に右足首軟骨と、かかとの三角骨の除去手術をした遠藤凜主将(3年)は「まだガッツリ練習はできないけれど、やっと長距離選手らしくなった」と故障が癒え、競技場を走れる喜びを語った。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、中越は2度の長期休校を行った。1度目は、3月5日から同23日まで。2度目は、4月18日から5月24日までと1カ月以上にもなった。寮生10人も実家に帰宅。自宅待機を余儀なくされた選手たちは自宅周辺を計画的に走って、スタミナアップに努めてきた。

2度目の休校時には、オンライン会議アプリの「Zoom」を利用して、朝夕2回のミーティングを開いた。朝は選手1人1人が練習への決意を述べ、夕方は練習の成果を振り返った。細かい練習内容は選手独自で作成。「練習計画の組み方はレクチャーした」という渡辺裕人監督(36)は連日、選手にネットを通じて日誌を提出させ、感想などを返信していた。

夏の全国高校総体(インターハイ)は中止が決まった。だが、長距離陣には、12月の“全国高校駅伝2年連続16回目の出場”という大きな目標がある。遠藤主将は「インターハイが中止になって、駅伝も、どうなるか不安」と話したが、選手全員の気持ちは前向きだ。渡辺監督は練習前、選手たちにこう話しかけた。「仲間と活動できることを大事にしよう。駅伝に向けた準備はきょう(8日)から始まっている」。

中越長距離陣の冬への挑戦が始まった。【涌井幹雄】