池畠旭佳瑠(ひかる、25=駿大AC)が日本歴代9位となる16メートル75(無風)で優勝した。

最終6回目の跳躍で、ファールを恐れず、振り切ってジャンプした。結果は大会前の自己記録を55センチも更新。「大学3年生以来となる自己記録を更新できた。まだ実感がないのが正直なところだが、練習の成果が出てきた」と笑顔を見せた。5回目にも16メートル23を自己新をマークしたが、それも一気に上回った。身長は172センチと高くはないが、「ホップ、ステップの大きさが武器」と分析する。

聖望学園を経て、東海大を卒業。現在は午前中に埼玉・飯能市内の中学校で非常勤講師として、主に体育を指導し、午後は駿河台大陸上部の跳躍コーチを務めている。教えることが、自らの競技力向上にもつながっているという。「教えることを自分に置き換えたり、学生の持っている悩みをクリアしていくと、自分の課題もクリアできたりする」と話す。座右の銘は「適当」。否定的な意味ではなく「ちょうどいい案配で頑張ろうと、気負うことがない事が強み」と言う。また出身地は埼玉県だが、市町村は「たぶん川越とか。そこら辺。分からない」と笑った。

今後、見据えるのは山下訓史が持つ日本記録17メートル15。86年から塗り替えられていない今、陸上界で一番長く残る日本記録だ。池畠は「日本記録を常に目標にしている。そこが少し見えてきた。そこを超えていこうと思う」と力を込めた。