北信越で今夏開催の全国高校総体(インターハイ)につながる熱い戦いが、各地で始まった。福島、宮城で県高校総体陸上が開幕、青森県では2日目が行われた。青森では女子1500メートルで青森山田・伊藤瑠音(3年)が26年ぶりの県新記録、12年ぶりの大会新となる4分23秒48をマークし優勝。1、2、3着を青森山田が独占した。

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伊藤は「県記録を狙って走っていたので、実際に切れてすごくうれしいです」と笑顔を見せた。高校1年の19年10月7日、国体でマークした自己ベスト4分25秒90を599日ぶりに更新した。

これまでの県記録は、同校の外崎めぐみが95年にマークした4分24秒36。自己ベストの1秒先、4分24秒台にこだわって練習してきた伊藤は「1周目が1分11秒と、入りはそんなに速くなかったんですけど、そこからはもう自分との闘いだと思って、集中して最後まで切らさずに走れました」と振り返った。持ち味である「粘りからのスピードを生かしたラストスパート」を存分に発揮するレースとなった。東北大会に向け、「インターハイに出場するのも大きな目標なので、全国トップレベルの仙台育英がいる場でどのくらい勝負できるのか、粘ってラストを上げてゴールできるよう練習を続けていきます」と意気込み、全国へと駆け上がる。

2着の吉原莉胡(2年)は「800メートルで出場した東北新人では予選落ちしたので、次は予選落ちしないようにこれから練習を頑張っていきたい」と語り、3着の今絵里南(2年)は「最後の粘りや気持ちの面で弱い部分を今後の練習で改善し、東北大会に臨みたいです」と、伊藤の背中を2年生コンビが追いかける。

青森山田の「3本の矢」は互いに切磋琢磨(せっさたくま)し、それぞれの目標達成のため、次のステップに臨む。

◆青森女子走り高跳び 弘前実・佐々木七海(2年)は、課題の「助走の最後の加速をもっと速める」を改善しきれずに県総体を迎えた。先輩でありライバルでもある工藤美紗(3年)が途中棄権。それで少し気が緩んだこともあり、1メートル60で優勝したが自己ベスト更新とはならなかった。東北大会に向け「コンディションを調整して課題も練習の中で克服して、ベストを出せるように頑張ります」と意気込んだ。