今日24日に開幕する陸上の日本選手権と併催のU-20日本選手権(ともに大阪・ヤンマースタジアム長居)に、東北高校選手権を終えたばかりの女子トップアスリートたちが挑む。日本選手権では昨年1500メートル2位の米沢奈々香(仙台育英3年)が2年連続のメダル獲得を、ハンマー投げでは昨年5位の村上来花(青森・弘前実3年)が初の表彰台を狙う。U-20日本選手権では、参加標準記録を突破した200メートルの佐藤美里(宮城・常盤木学園3年)、1500メートルの伊藤瑠音(青森山田3年)、100メートル障害の高橋亜珠(山形商2年)、円盤投げの石沢実菜海(青森・弘前実3年)、砲丸投げの田中杏実(青森北3年)が上位を目指す。

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常盤木学園・佐藤美が東北高校4冠女王としてU-20日本選手権の200メートルに出場する。県高校総体決勝で今季高校ランキング7位の24秒56で優勝し、参加標準記録をクリア。東北高校陸上は予選から唯一の24秒台をマークし、決勝を24秒75と次元の違う走りで制した。1600メートルリレーはアンカーでバトンを受け、3分46秒76の大会新でゴール。ガッツポーズで100メートル400メートルリレーを含む大会4冠を締めくくった。4日間で計11レースをこなした佐藤美は「しっかりと集中してやり切れました。大きな経験になりました」と充実感を口にした。

100メートルでも準決勝で今季高校ランキング2位タイの11秒74をマーク。決勝でも11秒75と安定した力を示した。宮城・石巻市出身。東日本大震災の津波で自宅を流失するなど大きな悲しみを味わった。大震災から10年。被災地の思いを背負うスプリンターは「先生や仲間がいたからここまで来られた。支えてくださった方々に恩返ししたい」と被災地の力になる。