女子1600メートルリレー決勝は、常盤木学園(宮城)が3分45秒57でチーム過去最高の全国3位に輝いた。3位でバトンを受けた短距離エース佐藤美里(3年)が一時は4位に後退したが、ゴール直前で抜き返した。準決勝では3分43秒65の東北高校新をマークし、波に乗った。

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常盤木学園の快速娘が、東北勢最後の出場種目となった女子1600メートルリレーを3位入賞で締めくくった。電光掲示板で3位を確かめた選手たちは手を取り合って喜び、表彰式後の記念撮影で銅メダルをかみしめた。

100メートル4位、200メートル優勝に輝いた佐藤美が劇的なゴールを決めた。3位に浮上した第3走・伊藤ののか(3年)からバトンを受けたが、コーナーを抜けた直後に4位後退。だがゴール直前で、先行する市船橋(千葉)を0秒17差かわし、リレーではチーム初のメダル獲得につなげた。本大会でリレーを含む4種目で入賞した佐藤美は「みんながつないでくれたバトンを持ってラスト200には自信があったので焦らず、しっかりとメダルを取ることができました」とエースの務めを果たした。

第1走の日下あやな主将(3年)も「支えてくれたみんなに結果で恩返しできました。昨年の先輩たちの分も頑張れた」と、コロナ禍で大会中止になった先輩に思いを寄せた。初めてエース区間を任された第2走の黒丸朝日(2年)も「オープンレーンに入る位置取りも強気でいけました」と果敢にバトンをつないだ。

来春、看護師を志望し国立大受験を目指す第3走の伊藤も「どんな展開でも全力を出すだけだと思っていました。美里が決めてくれると信じていました」と信頼のバトンを託した。

準決勝では東北高校記録も塗り替え、チーム黄金期といわれながらコロナ禍に泣いた先輩チームを超えた。佐藤美は「みんなで力を合わせて粘る走りができました」と胸を張った。【佐々木雄高】