学法石川が6年連続のアベック優勝を飾った。男子は最長の1区10キロをエース山口智規(3年)が29分55秒の区間賞で好発進し、最終7区を藤宮歩主将(3年)が14分42秒で区間賞締め。首位を1度も譲らずに2時間6分24秒で11連覇を達成した。女子は全員区間賞の1時間10分55秒で6連覇。ともに12月26日に京都で開催される全国高校駅伝(都大路)に出場する。

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都大路を前に頼もしい存在が復活だ! 男子の学法石川はアンカー藤宮が2位田村に4分17秒先着し、11連覇ポーズでゴールテープを切った。チーム目標の2時間3分に及ばず、個人の設定タイムである14分20~30秒にも届かなかったが、区間賞で優勝に貢献。「1人1人が自分らしい走りをして、支えてくれた方々に感謝の走りをできたと思います」と胸を張った。

高校1年時から山口と切磋琢磨(せっさたくま)し、主力を担ってきた。19年の都大路は5区で区間6位と上々デビュー。しかし、昨年度はつらい時間を過ごした。コロナ禍で全国高校総体(インターハイ)が中止になるなど「少しモチベーションが落ちてしまったのと、目標を見失ったじゃないですけど、気持ちの面でも疲れてしまった部分が」。また大量の汗をかいて脱水症状になったり、心拍数が上がるといった症状にも苦しんだ。

小学4年から陸上を始めた。17年のジュニア五輪男子B1500メートルで優勝。18年の全国中学校体育大会(全中)男子3000メートルで優勝、同1500メートルで準優勝。19年の国体少年男子B3000メートル優勝と、華々しい実績を残してきたが、大きな壁にぶつかった。練習に通常通り参加も「陸上をやりたくない時期もありました」。それでも「絶対大丈夫」と仲間から温かい声をかけられ、今夏には復調。駅伝シーズンに間に合い「やっとスタートラインに立ててうれしいです」と走る喜びをかみしめている。

昨年の全国高校駅伝は補欠として7区の付き添いを経験し「本当に情けないなと思いました」。集大成の舞台では“因縁”の区間を希望する。「7区で優勝のゴールテープを切るのが自分の目標です」。日本一への思いは強い。「1年生のときに(5位で)3年生の涙を見ていたので、それも含めて借りを返したいです」。都大路を完全復活の舞台にする。【山田愛斗】

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女子の学法石川は、アンカー小島彩乃主将(3年)がゴールテープを切り“V6”を果たした。「みんなでつないだタスキを、自分がゴールに運べたことはとても良かった。都大路に向けて良いスタートを切れたと思う」。アンカーの役目をきっちり果たし、開口一番、喜びを語った。

強風の中、連覇の道を進んだ。1区の大河原萌花(3年)が2位に1分17秒差をつける好スタート。残りの3区もリードを広げ、約4分の差でタスキを受けた。小島彩主将は「連覇をしないといけないプレッシャーもあったが、自分ならできると。今までの練習と仲間を信じて走れた」。前半は向かい風で我慢が続いたが、後半はペースアップ。同区間ただ1人の17分台で快走し、全員が区間賞の「完全優勝」に導いた。

支えてくれた双子の姉の分まで駆け抜けた。姉さくら(3年)は、足の故障で欠場。妹の付き添い役でレースに送り出した。妹彩乃は「良きライバルであり、普段の生活からいろいろな話ができる存在」。切磋琢磨(せっさたくま)し続けた姉の後押しを受け、仲間が待つゴールを目指した。

昨年の都大路は2年生ながら3区で区間5位に入り、同校最高成績の8位入賞に貢献した。最終学年で臨む約2カ月後の全国舞台は「去年以上の走りをして、笑顔で終われたら」。1つでも順位を上げる走りを披露し、目標の区間賞をつかむ。【相沢孔志】