安藤友香(29=ワコール)が自己ベスト、日本歴代8位の2時間21分18秒で日本人3年ぶりの優勝となったがパリ五輪設定タイムには届かなかった。チュンバ(30=バーレーン)が2位、鈴木亜由子(32=日本郵政グループ)は3位だった。
前田穂南(27=天満屋)が今夏のパリ五輪女子マラソン代表の3枠目に内定した。
パリ五輪のマラソンは男子が8月10日、女子が同11日に行われる。
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◆名古屋ウィメンズマラソン順位
(1)安藤 友香 2時間21分18秒
(2)チュンバ 2時間21分25秒
(3)鈴木亜由子 2時間21分33秒
(4)加世田梨花 2時間22分11秒
(5)夏 雨雨 2時間25分45秒
(6)メリンガー 2時間26分09秒
(7)大西ひかり 2時間26分12秒
(8)大森 菜月 2時間26分54秒
(9)Cフレンチ 2時間28分23秒
(10)Gエピス 2時間28分24秒
◆名古屋ウィメンズマラソン(タイムは速報値)
◆レース経過
◆スタート 午前9時10分号砲。天気は晴れ、気温5・2度、湿度53%、北西の風1メートル。パリ五輪代表を狙う鈴木亜由子、加世田梨花、安藤友香らがバンデリンドームナゴヤ前を走り出した。
◆1キロ 3分19秒で通過。鈴木亜由子はペースメーカーに並ぶように先頭を走る
◆2キロ この1キロは3分16秒ほど。先頭集団に鈴木亜由子、加世田梨花、安藤友香ら
◆3キロ 先頭集団は鈴木亜由子、加世田梨花、安藤友香、ゲブレシラシエ、チェプトゥー、メリンガー、チュンバの7人
◆5キロ 日本記録ペースの16分28秒で通過。給水の失敗なし
◆7キロ この1キロは3分16秒、鈴木亜由子ら7人の先頭集団が日本記録ペースでタイムを刻む
給水に失敗した鈴木亜由子に加世田梨花がドリンク手渡す
◆10キロ 33分05秒で通過、設定タイムから8秒ほど遅れる。鈴木亜由子、加世田梨花がスペシャルドリンクを取れず。その後、加世田梨花が鈴木亜由子に水を渡す
◆12キロ ペースメーカーの1人が脱落、3人で先導する
◆13キロ チェプトゥーと2人目のペースメーカーが遅れる。先頭集団は6人に
◆15キロ 設定タイムより遅い49分44秒で通過。鈴木亜由子、加世田梨花は集団やや後方。給水に失敗なし
◆17キロ この1キロは3分20秒。やや向かい風の中先頭集団6人が進む
◆18キロ この1キロは3分23秒。鈴木亜由子が位置取りを前にする、ペースメーカーにペースアップを促したか
勝負は中盤に
◆20キロ 1時間6分22秒で通過、設定タイムより20秒ほどの遅れ。ゲブレシラシエが給水失敗
◆中間点 1時間9分56秒で通過、設定タイムより26秒ほどの遅れ。通過順はゲブレシラシエ、安藤友香、チュンバ、鈴木亜由子、メリンガー、加世田梨花
◆24キロ 予想フィニッシュタイムは2時間19分53秒、勝負は30キロ過ぎからか
◆25キロ 1時間22分40秒で通過、設定タイムから20秒遅れ。給水に失敗なし。チュンバ、鈴木亜由子がやや遅れる
◆26キロ 鈴木亜由子が少し離された。安藤友香、加世田梨花も遅れ始める
終盤戦に突入 ペースアップで日本新なるか
◆30キロ ゲブレシラシエ、チュンバが1時間39分02秒で通過。31秒遅れで安藤友香、加世田梨花、そこから10秒遅れて鈴木亜由子。安藤友香、加世田梨花の予想フィニッシュタイムは2時間20分02秒。ペースメーカーが外れる
◆33キロ 高低差12メートルの登りを前に安藤友香がペースアップ、加世田梨花は必死に食らいつく
◆35キロ チュンバ、ゲブレシラシエが1時間56分21秒で通過。安藤友香が21秒差、加世田梨花は8秒差で安藤友香を追う。鈴木亜由子は加世田梨花と11秒差
ゲブレシラシエにアクシデント
◆36・5キロ ゲブレシラシエが止まる。その後走り出し安藤友香の後ろに付けるが苦痛の表情、腰を押さえ離脱する
◆38キロ 首位チュンバに安藤友香が4秒差まで迫る。鈴木亜由子は3位の加世田梨花と3秒ほどの差まで詰める
◆39キロ 安藤友香が首位チュンバに2秒差。鈴木亜由子は加世田梨花を抜き3位浮上
◆40キロ 2時間13分53秒で通過。逃げるチュンバ、安藤友香が迫る。安藤友香は給水失敗。鈴木亜由子も追い上げ15秒差で追う
◆41キロ 安藤友香とチュンバが横並びで通過
◆残り700メートル 安藤友香がスパート、チュンバを抜き去る
◆フィニッシュ 安藤友香が自己ベストの2時間21分18秒で日本人3年ぶりV。チュンバが2位。鈴木亜由子は3位、加世田梨花は4位となった
名古屋ウィメンズがスタート ドアラも応援
前日会見
- 会見を終え明るい表情でポーズを決める(前列・左から)加世田梨花、鈴木亜由子、安藤友香(後列・左から)ゴディトム・ゲブレシラシエ、渡辺桃子、大西ひかり、ユニスチェビチー・チュンバ(2024年3月8日撮影)
◆名古屋ウィメンズマラソン 招待選手
選手名 | 年齢 | 所属 | 自己ベスト(大会) |
---|---|---|---|
※細田あい | 28 | エディオン | 2:21:42(22年ロンドン) |
鈴木亜由子 | 32 | JP日本郵政G | 2:21:52(23年名古屋) |
加世田梨花 | 25 | ダイハツ | 2:21:55(22年ベルリン) |
安藤 友香 | 29 | ワコール | 2:21:36(17年名古屋) |
渡邉 桃子 | 25 | 天満屋 | 2:23:08(23年大阪国際) |
大西ひかり | 23 | JP日本郵政G | 2:25:54(22年ベルリン) |
ゴティトム・ゲブレシラシエ | 29 | エチオピア | 2:18:11(22年オレゴン) |
ユニスチェビチー・チュンバ | 30 | バーレーン | 2:20:02(22年ソウル) |
デルバインレリン・メリンガー | 31 | ルーマニア | 2:20:49(23年バルセロナ) |
ビオラ・チェプトゥー | 35 | ケニア | 2:22:44(21年ニューヨーク) |
ジョバンナ・エピス | 35 | イタリア | 2:23:46(23年ハンブルク) |
エロイーズ・ウェリングズ | 41 | オーストラリア | 2:25:10(22年名古屋) |
カミール・フレンチ | 33 | ニュージーランド | 2:26:08(23年バレンシア) |
※細田あいは欠場
◆女子マラソン日本歴代5傑◆
順 | 選手名 | タイム | コース |
---|---|---|---|
1 | 前田 穂南 | 2時間18分59秒 | 23年大阪国際 |
2 | 野口みずき | 2時間19分12秒 | 05年ベルリン |
3 | 新谷 仁美 | 2時間19分24秒 | 23年ヒューストン |
4 | 渋井 陽子 | 2時間19分41秒 | 04年ベルリン |
5 | 高橋 尚子 | 2時間19分46秒 | 01年ベルリン |
◆女子マラソン世界歴代5傑◆
順 | 選手名 | 出身 | タイム | コース |
---|---|---|---|---|
1 | ティグスト・アセファ | エチオピア | 2時間11分53秒 | 23年ベルリン |
2 | シファン・ハッサン | オランダ | 2時間13分44秒 | 23年シカゴ |
3 | ブリジット・コスゲイ | ケニア | 2時間14分04秒 | 19年シカゴ |
4 | ルース・チェプンゲティッチ | ケニア | 2時間14分18秒 | 22年シカゴ |
5 | アマネ・ベリソ | エチオピア | 2時間14分58秒 | 22年バレンシア |
■東京五輪に続くマラソンでの五輪出場を狙う鈴木亜由子(日本郵政グループ)は、代表入りの条件となる2時間18分59秒の日本記録更新を目標に掲げ「悔いのない走りをして、切符をつかみたい」と意気込んだ。
22年世界選手権女王のゴティトム・ゲブレシラシエ(エチオピア)を軸に高速レースが予想される。昨秋の代表選考会で4位だった加世田梨花(ダイハツ)は「速いペースを意識して練習してきた。最後まで諦めずに走りたい」と決意を口にした。
1月の大阪国際で前田穂南(天満屋)がマークした日本記録を上回り、日本勢最上位であることが代表条件で、突破者がいなければ前田が3人目に決まる。
昨秋の代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」で3位だった細田あい(エディオン)はけがで欠場となった。
◆パリ五輪への道 男女マラソン代表は各3枠。女子はマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)1位の鈴木優花、同2位の一山麻緒が内定済み。今回の名古屋ウィメンズで前田穂南が大阪国際でマークした日本記録2時間18分59秒の突破者がいなければ前田が3人目に決まる。
男子はMGC1位の小山直城、同2位の赤崎暁、「ファイナルチャレンジ」での条件突破者がいなかったため3位の大迫傑が代表に決定した。