<陸上世界選手権>◇第6日◇15日◇モスクワ・ルジニキスタジアム◇男子やり投げ予選

 村上幸史(33=スズキ浜松AC)が、昨年ロンドン五輪に続いて予選落ちした。1投目の77メートル75から記録が伸びずに全体22位に沈んだ。

 違和感を感じた。足の裏から感じるルジニキスタジアムの硬さに困惑した。「サブトラックと全然違った。これまでの国際大会でも一番硬かった」。勝負をかけた2投目で73メートル付近のミススロー(記録なし)。3投目も76メートル74に終わった。4月織田記念国際で自己記録の85メートル96を投げ、出場選手の中で今季のランキングは4位だったが、不発に終わった。

 昨年ロンドン五輪では日本選手団主将を務めたが、予選落ち。昨年8月20日、銀座パレードでは主将の責務としてオープンカーに乗った。沿道からわき起こる約50万人の祝福は人ごとだった。「やめてもいいか」と家族に相談するなど悩んだ末に再びやりを握った。

 またも襲った試練。「日本でできて、世界大会でできないのは勉強不足。自分自身をコントロールできなかったのが敗因。これだけ明確な課題が残ったのは初めて。(16年)リオ五輪までの課題を与えてくれたと考える。3年後に成功すれば」と言葉を絞り出した。