<全国高校バスケット選抜優勝大会:札幌山の手87-50山形商>◇女子3回戦◇25日◇東京体育館

 高校女子3冠へM3だ。札幌山の手(北海道)が3年連続4強の山形商(山形)に完勝し、2年連続ベスト8入りを決めた。U-17、18日本代表のエース長岡萌映子(2年)が30得点を挙げるなど、攻守にわたってチームをけん引。全国での20得点以上はこれで、高校総体から10試合連続となった。26日の準々決勝では福岡大若葉(福岡)と対戦する。

 3冠へカウントダウンに入った札幌山の手は、エース長岡の独壇場だった。試合開始直後、リズムに乗り切れないチームを、180センチの2年生センターが勢いづけた。右、左、右とフェイントを入れ、豪快なシュート。敵陣は素早い身のこなしについていくことさえできなかった。「こういう時はみんなでチームを盛り上げないと。自分はプレーでやらなきゃいけない」。有言実行で引っ張った。

 第1クオーター(Q)。ゴール下で積極的にシュートを放ち12得点を挙げると、その後も厳しいマークに動じずゴールを量産した。アウトサイドから3ポイントシュートも繰り出し、ポストではボールを受けてパスを出すなど、攻撃の起点になり続けた。

 相手の山形商にはU-17日本代表選手2人が在籍。前年は3位決定戦で破ったが、今大会では3年連続でベスト4に進出している強豪だ。長岡は、24日2回戦の市沼津(静岡)戦でチーム最多18得点を挙げた横山史佳(3年)とマッチアップ。守りでも集中力を見せ、8得点に抑えた。町田瑠唯主将(3年)は「今日は3年生がダメだったけど、長岡さんや2年生が点を取ってくれた」。上島正光コーチ(66)も「点数も取ってるし、4番(横山)をしっかり抑えた」と合格点を与えた。

 チームだけなく、長岡にも負けられない理由がある。高校総体、千葉国体で2冠達成後、新たなメンバーで11月の新人戦に臨んだ。思うような試合ができず、これまでのプレーは3年生の支えの中で生かされていたことを実感した。「少しでも長く一緒にやって、3年生みたいになりたい」と強い決意で臨んでいる。

 あこがれの先輩とともに、3冠を目指す。チーム最多得点にもかかわらず「リバウンドを取った後にシュートが入らなかった。次は落ち着いて決めたい」と反省も忘れなかった。ユース五輪代表としても活躍した将来の日本のエースが、貪欲にゴールを狙い続ける。【石井克】