男子の新エース、白井健三(21=日体大)が、3種目でメダルを手にした。世界選手権で優勝した跳馬を14・750点で圧勝し、前日の床運動に続いて3連覇。初出場の平行棒と鉄棒でも2位に入り、スペシャリストから本格的にオールラウンダーを目指したシーズンを締めくくった。

 「いい形で1年を締めくくれたと思います」。3種目で表彰台に上がった白井は胸を張った。外国勢のレベルが高くないとはいえ、1日で種目別メダル3個は初体験。田中佑典の負傷欠場で回ってきたチャンスを生かし「普通はありえないですからね」と笑った。

 平行棒では、2週前の全日本団体後から取り組んでいる「棒下ひねり」を見せた。「来年を考えて練習していたけれど、失敗しておくのもありかと思って」と前向き。以前は「できればやりたくない」と思っていた鉄棒も「落ちるイメージはないし、演技を見てほしいと思える」と変わった。

 世界選手権個人総合銅メダルで「団体と個人と種目別でメダル」という東京五輪の目標も見えてきた。それでも「同い年のライバルもいるし(負傷離脱中の内村)航平さんも強くなって帰ってくる。いい位置にいるからこそ、欲を出さず1歩1歩確実に」。充実の17年にも満足はせず、白井は18年に向けて言い切った。