勢いのある坂本と、国際大会の実績で上回る樋口。2人の高校2年生が争った注目の女子の2枠目は、小林芳子強化部長が「選ぶのが大変だった」と振り返る白熱した議論の末、全日本選手権2位の坂本に決まった。4位の樋口を上回った全日本と、2位だった11月下旬のスケートアメリカの直近2大会で残したインパクトが大きかった。

 坂本は最近3シーズンが対象の世界ランキング、今季の世界ランキング、今季の合計得点のベストでいずれも樋口を下回るが、直接対決で6・55点差をつけて快勝した全日本の内容が高く評価された。スケートアメリカの合計得点でトップ選手の目安と言える210点を突破している上、まだシニア1年目。小林強化部長は「ジャンプに出来栄え点がつき、伸びしろがある」と五輪までのさらなる成長に期待した。

 男子は前回五輪の金メダリストで世界王者の羽生が右足首のけがで全日本を欠場したが、実績から順当に代表入り。全日本2位の田中も文句なしの選出だった。

 ▽小林芳子フィギュア強化部長の話 坂本選手はジャンプに出来栄え点がつき、伸びしろがある。(決め手は)全日本の成績とパフォーマンス。羽生選手は氷に乗り始めていて、逆算して間に合うと信じた。