東海大仰星(大阪第2)が2大会ぶり5度目の優勝を果たした。大阪桐蔭(大阪第1)との19大会ぶり戦後2度目の大阪勢対決を27-20で制した。

 理想とする監督像に、グアルディオラ(マンチェスターC)やモウリーニョ(マンチェスターU)といったサッカー界の名将を挙げる。東海大仰星を率いて5季目。湯浅大智監督(36)は「下部組織から選手を育てるバルセロナのカンテラ。あれを仰星でも取り組むことができるのではと、考えているんです」と明かす。練習は東海大仰星中と一緒だ。

 13年度に就任し、5大会で4度の決勝に導いた。優勝3度、準優勝1度。それでも今大会前は優勝への確信が持てずにいた。昨年12月、全部員を集め1本の映像を見せた。アカデミー賞を受賞した長編ドキュメンタリー「アンディフィーテッド 栄光の勝利」。同じ高校生で米国の弱小アメフット部が生まれ変わっていく軌跡に、選手の精神面が変わった。ようやく、日本一を意識できるようになった。若き名将はうれし涙にくれながら言った。「生徒たちを誇りに思う」-。心の奥からの言葉だった。【益子浩一】