全日本スキー連盟(SAJ)は22日、平昌冬季五輪(ピョンチャンオリンピック)代表の残り選手23人を発表した。

 フリースタイルスキー・モーグルで村田愛里咲(行学学園教)が、女子で唯一、代表に選出された。女子は年明けまでSAJが設定した派遣推薦基準を1人も突破しておらず最悪、派遣なしの危機に陥っていたが、20日のW杯ディアバレー大会(米国)で8位に入り、滑り込みで代表権をゲットした。

 98年長野五輪で里谷多英が金メダルを獲得、上村愛子らも活躍するなど、5大会連続で入賞を果たしてきた種目。大きな責任を背負う。「みんなの分も戦おうと思っています」と愛くるしい笑顔に決意をにじませた。

 雪辱の舞台でもある。14年ソチ五輪では、予選を5位で通過。「メダルを狙える」と期待が高まったものの、決勝の直前練習で左膝全十字靱帯(じんたい)を損傷し、欠場した。「悔しい気持ちでここまでやってきた。あまり思い出したくない。平昌では自分の全力を出し切ってメダルを取りたい」と誓った。

 武器はエアだ。女子ではそれほど飛べる選手がいない難易度の高いフルツイスト(伸身後方宙返り1回ひねり)が代名詞。誰よりも美しく、高く飛んだ先に輝くメダルが待っている。「第1エアの入りでフルツイストが決まればできると思っている。そこを重点的にやっていきたい」。女子モーグルの火は絶対に消さない-。覚悟を胸に3度目の大舞台に挑む。