ラグビー欧州6カ国対抗戦(3日開幕)で3連覇を目指すイングランド代表のエディー・ジョーンズ監督(58)が2日までに、WOWOWの独占インタビューに応じた。就任後、チームは22勝1敗と圧倒的な成績を残し、今大会も優勝候補筆頭だが「私たちはとにかく前進することに集中している。集中して1つ1つの課題をクリアしていくだけです」と慎重に話した。

 「ラグビーの母国」の監督に就任して2年2カ月あまり。「課題は山積みだが、確実に正しい方向に進んでいる」と語り口は冷静だが、既にチームに変革をもたらした。

 変革のポイントは「大きく分けて3つある」と言う。まずは、「体力レベルが足りていなかった。良くはなっているが、あと20%ほど足りない」と話すフィジカル面。そして「ニュージーランドの真似ではなく、セットピース(セットプレー)に重点的に取り組み、守備重視のイングリッシュスタイルに変えた」というプレースタイル。最後は「イングランド代表としてプレーするだけではなく、イングランドのために勝ちたい、世界一のチームになりたいと思っている」という選手たちの精神面だ。

 18年のテーマは「ハンティング(狩り)」だという。16年の「欧州制覇」、17年の「基礎に徹する」に続くテーマ設定の意味を「他の国を狩りしにいくという考え方です。勝つためには彼ら(対戦国)よりもフィジカル面でも優れていなければならない。メンタル面でももっと積極的に、戦術面でももっと積極的でなくてはいけない。彼らが私たちを狩りに来るのではなく、私たちが狩りにいくのです」と説明。ハンティングの最初のターゲットが4日の6カ国対抗戦初戦で対戦するイタリアになる。

 「全ての試合に勝つためにやっている。常に考えていることは『いかに良くなるか』ということです。勝つことはもちろんうれしいことだが、それよりも大切なのはいかに進歩しているかです。W杯で勝つためには日々向上していかなくてはなりません。私に唯一できることは、常にチームとして前に進んで良くしていくことだけです」。

 15年ラグビーW杯イングランド大会で日本を率い、南アフリカから勝利するなど世界を驚かせ、17年には世界最優秀コーチに選出された名将に導かれたイングランドが、今大会で3連覇を成し遂げるのか-。世界最高レベルの舞台で繰り広げられる激闘に注目だ。

 WOWOWではラグビー欧州6カ国対抗戦を全15試合生放送する。2月3日日本時間午後11時から始まるウェールズ-スコットランド戦で開幕。3月第3週目まで行われる戦いを見逃すな!