昨年8月に右手首の腱(けん)を脱臼した元世界4位の錦織圭(28=日清食品)が、復帰2戦目で決勝に進出した。同234位の荘吉生(台湾)に6-4、6-4のストレート勝ち。ツアー下部大会としては、10年11月の米ノックスビル大会以来の決勝進出で、ツアー下部大会通算6勝目に王手をかけた。決勝は同158位のマクドナルド(米国)と対戦する。

 調整目的ながら錦織が決勝に進出した。先週と今週のツアー下部大会の出場は「練習だと思っていた。(自分に)期待していなかった」とお試し期間のはずだった。12日から始まるツアー復帰戦ニューヨークオープンへのステップのはずが、優勝に王手をかけた。

 2セットを通じてこれまでの試合より、攻撃時のフォアの精度が上がった。自分のサービスゲームを落とすが、それ以上に、相手のサービスゲームを破るパターンに持ち込んだ。「少しでも良くなっているのを感じられるのはうれしい」と手応えもある。

 下部大会とはいえ、久しぶりの連戦。足や腰に疲労はたまっている。決勝は先の全豪2回戦で、同4位のディミトロフに善戦した米国期待の星だ。「今日以上のプレーができないと勝てない相手。頑張りたい」。錦織が復活の優勝に向け、最後の一踏ん張りだ。