ルーキーが覚醒した。新潟アルビレックスBBは今季初の3連勝。東地区首位のアルバルク東京を81-72で破り、滋賀戦(昨年11月20、21日)以来の同一カード2連勝を決めた。シューティングガード(SG)今村佳太(22)が3点シュート5本を含む19得点をマーク。自己最多の18得点でMIPを獲得した前日(3日)を上回り、初のMVPに輝いた。新潟の順位は17勝23敗で中地区5位ながら、4位富山と勝率で並んだ。

 勝利を確信させる3点シュートを今村が決めた。第4Qの残り2分3秒、ポイントガード(PG)五十嵐圭(37)のパスを左サイドでもらい、ジャンプしながら3点シュート。ボールがリングに収まった瞬間、3482人で埋まった観客席が一気に沸いた。

 この日の自身5本目の3点シュートを成功させ、77-72。直前にSG城宝匡史(35)が同じ位置から3点シュート決めて74-72にしていた。「あれで流れが来た。気持ち良く打てた」。今村の1本の後、A東京がタイムアウト。ベンチに戻りながら感じた。「このまま勢いを持っていける。気を引き締めよう」。感じた通りのフィナーレが、2分ほど過ぎて訪れた。

 前日、自身初の2ケタ得点になる18得点を挙げた。それを1点上回った。3点シュートの成功も前日の4本から5本と、これも自己最多を更新。そして初のMVPを獲得した。「先輩たちのおかげでシュートを決められた」。素直な感想だった。11アシストを記録した五十嵐だけでなく、城宝、PG畠山俊樹(26)、センター(C)ダバンテ・ガードナー(26)が勝負どころで今村にパスを回した。

 庄司和広監督(43)は「ボールをもらう位置が良くなった」と成長を認めた。「どこにいれば周囲がパスを出しやすいかを考えてプレーできるようになった」と今村。前日の試合のビデオを自宅で見直し、ポジショニングを確認。「1戦目以上のプレーができる」。手ごたえを持って臨んだ2試合目だった。

 連敗知らずの東地区首位のA東京に、新潟が初めて連続で黒星をつけた。チャンピオンシップ進出の中地区2位以内を狙う上で、勢いに乗る最高の状況だ。今村は言う。「五十嵐さん、ダバンテに続く得点源になりたい」。ルーキーがチーム浮上のキーマンに名乗りを上げた。【斎藤慎一郎】