日本代表(乾、中牧、福村、吉田、丸茂、安永、塚本、京極)が、92・2000点を出して優勝した。初披露のルーティンで、01年生まれの高校2年生、京極おきな(16=井村ASク)が、ジャンパーとしての特殊能力を買われて、日本代表にデビュー。2度のジャンプで高速回転を披露。00年以降生まれで初の日本代表選手となった。東京オリンピック(五輪)へ、新世代が飛び出した。

 高速回転した。京極は、水面から押し上げられるとくるりと反転して、ひねりを入れて入水した。デビュー戦で2度のリフトを行って「高く跳ぶことを意識した。緊張しました」。16歳を抜てきした井村ヘッドコーチ(HC)は「京極は身が軽い、回転が速い。日本の中で一番ジャンパーに適した選手」と口にした。

 まさに新戦力だ。日本水連は14年11月から「ジャンパー合宿」を行っている。昨年度は秋に総勢56人でスタート。絞られた7人が今年3月に世界最強のロシアで特別合宿を敢行。その中で京極が唯一、代表入りした。本来は世界ジュニア選手権に出る年齢だが、井村HCが「五輪のチームにいた方がいい。やるべきだ」と説得した逸材でもある。

 16歳の新星は日本水連による地道な強化策のたまものでもある。京極は「初めてで技術もまだまだ」と成長を誓った。【益田一弘】