女子の花輪(秋田)がリレーで2位に入り、学校対抗の総合で2連覇を達成した。アンカー勝負となり最後までデッドヒートを繰り広げ、同タイムの写真判定で飯山(長野)に惜敗も、女子の距離では全種目で表彰台に上がった。地元開催で「クロスカントリーの花輪」の底力を見せつけた。男子リレーでは秋田北鷹が3位に入った。

涙のち笑顔だった。花輪があと数センチで優勝を逃した。クラシカル5キロで2年連続2位の大黒柱・田中星那(3年)がスタートから積極的に先行し、猛吹雪の中首位と0秒7差の2位。2走の黒沢南帆(2年)は粘りの走りで、首位と6秒差の4位でアンカーにつないだ。フリー2位、クラシカル3位の本田千佳(2年)は、最初の登りで一気に前の3人を抜き首位に立った。最後はクラシカル覇者で世界ジュニア代表の飯山・祖父江凜(3年)に競り負けたが、地元で堂々のレースを見せた。

ゴール直後、泣きじゃくる後輩2人を田中が慰めた。「リレーって楽しいなあって。地元でここまでできるんだと思いました」と満足感を漂わせた。バイアスロンでアルベールビル、リレハンメルの両五輪に出場した本田の母佳子さん(53)も「見応えありました。大したもんです。私はマネできない」と笑顔で最大級の褒め言葉を送った。

距離全種目で表彰台に上がり、2年連続4回目の女子総合優勝に地元は沸いた。浅利優一監督(40)は「最後は負けたけど本当によく頑張りました」とたたえた。中高が合同で定期的に合宿を行うなど、町を上げての距離スキー強化が着実に実っている。敗れはしたが、花輪ここにありを見せつけた。

卒業後は競技をやめ、東京の看護学校に進む田中は「来年は優勝してほしい」と夢を託した。表彰式で笑顔が戻った本田は「去年3位で今年は2位。来年こそ優勝したい。そのために最後に競り負けない力をつけたい」と雪辱を誓った。【野上伸悟】