パナソニックがJTをフルセットの3-2(25-22、17-25、23-25、33-31、16-14)で破り、2季連続6度目の優勝に王手をかけた。

決勝は2試合制で行われ、パナソニックは14日の第2戦(東京都・武蔵野の森総合スポーツプラザ)で連勝すれば優勝が決まる。1勝1敗になった場合は25点1セットのゴールデンセットで決着をつける。

「兄弟対決というより、JTさんに勝ちたいという、その思いで頑張りました」。熱戦を制したパナソニックのセッター深津英臣(28)は、勝利インタビューに淡々と答えた。バレーボール界で知られる深津3兄弟の三男。長男の旭弘(31)はJTのセッターで、次男で豊田合成のコーチを務める貴之さん(30)はスタンドから兄と弟の優勝をかけた戦いを見守っていた。

言葉とは裏腹に兄を意識したのか、決勝の緊張感からか、英臣のトスさばきにはいつものようなバリエーションが見られなかった。ミドルを使えず、攻撃がオープンに偏った。JTのサーブにレシーブが乱れたことも影響した。攻撃陣がブロックにつかまって22失点。これが苦戦の要因になった。

3兄弟の中で一番の負けず嫌いという。「来週も苦しい展開になると思う。どんな試合になっても自分たちのやることを変えずに、目の前の1点を取りにいきたい」と英臣。旭弘とともに19年度の日本代表にも登録されている。日本トップレベルの兄弟セッター対決は、14日に第2ラウンドを迎える。