13日に中地区優勝を決めた新潟アルビレックスBBが川崎ブレイブサンダースに84-74で快勝し8連勝、このカードの今季対戦を3勝3敗の五分にした。“秘密兵器”SFアマンゼ・エゲケゼ(23)が新潟での公式戦初出場。3点シュート7本を含む両チーム最多34得点と大暴れした。2月に琉球から移籍。「第3の外国人選手」がチャンピオンシップ(CS)でも武器になることを証明した。レギュラーシーズンは最終節ホーム横浜戦(20、21日)の2試合を残すのみ。新潟はCSの1回戦(27~29日)、A東京とアオーレ長岡で対戦する。

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充実感が込み上げた。第4クオーター(Q)の残り1分8秒、エゲケゼはこの日2本目のダンクを決めた。直後にベンチを見ると大騒ぎ。「みんな喜んでくれていた」。チームメートの笑顔がうれしかった。

文句なしのスコアメークだ。3点シュートは11本放ち7本成功。インサイドも7本中5本決めた。3本のフリースローはすべてリングに沈めた。「川崎は自分よりサイズが大きい。特に外からのシュートが大切だった」。公式戦は琉球に所属していた2月3日の新潟戦以来。約2カ月ぶりのコートで今季自己最多得点34点ををたたき出した。

庄司和広監督(44)は言う。「練習から努力とハードワークを続けてきたアマンゼが結果を出してくれた」。この日はPG五十嵐圭(38)とPFラモント・ハミルトン(35)が負傷のためベンチ登録から外れた。リーグ規約でベンチ入りできる外国籍選手は2人まで。枠が1つ空いたことで2月19日に新潟に入団後、初の出番が巡ってきた。

準備は入念にしていた。全体練習後、青木勇人アソシエートコーチ(45)を相手に自主トレ。オフの日もコートに足を運んだ。その姿をチームメートも見ていた。「エゲケゼが初めて出るので、今日は絶対に勝とうと話した」と主将PF鵜沢潤(37)。CSへ頼もしい戦力の登場ともなった。「もちろんCSに出たいが、自分の仕事はいつでも出られる準備をしておくこと」。効果抜群の“カード”を忍ばせ、新潟はCSに備える。【斎藤慎一郎】