テニスの4大大会、全仏オープンが26日にパリで開幕する。世界1位で、大坂なおみ(21=日清食品)の4大大会3連勝が注目される。第2回は「4大大会の連勝」だ。

◇   ◇   ◇

大坂は、18年全米で、4大大会シングルス日本人初優勝の快挙を達成すると、今年1月の全豪でも優勝し、4大大会2連勝となった。全仏も優勝すれば、年をまたぐが4大大会3連勝となる。

まず、4大大会シングルス初優勝から、一気に3連勝をした女子選手は歴代でいない。もし大坂が達成すれば、女子では史上初の快挙だ。男子でも、37年ウィンブルドンで4大大会に初優勝し、そのまま38年全米まで6連勝したバッジ(米国)、56年全豪で4大大会に初優勝し同年ウィンブルドンまで3連勝したホード(オーストラリア)の2人しかいない。

初優勝からではなく、4大大会のシングルスに3連勝以上したのは、女子で11人、19度。男子で10人、14度ある。中でも、最も価値が高いと言われるのが、年間で4大大会すべてを制する年間グランドスラム(4大大会全制覇)だ。

女子では53年にコノリー(米国)、70年コート(オーストラリア)、88年グラフ(ドイツ)の3人、男子は38年バッジ、62、69年のレーバー(オーストラリア)の2人だけだ。特にレーバーは、男女合わせてただ1人だけ、2回の年間4大大会全制覇を成し遂げている。

また、グラフは、年間4大大会全制覇を成し遂げた88年に、ソウル五輪も制しており、ゴールデンスラムと名付けられた。過去にゴールデンスラムを達成したのは、グラフだけだ。

4大大会シングルスの最多連続優勝は6回。女子では52年ウィンブルドンから6連勝したコノリー、69年全米からのコート、83年ウィンブルドンからのナブラチロワ(米国)の3人。男子は37年ウィンブルドンからのバッジだけ。この内、6連勝もしながら年間4大大会全制覇を逃したのはナブラチロワだ。

78年から85年まで、全豪は12月に開催で、年間で4大大会最後の大会だった。ナブラチロワは83年ウィンブルドンから、同年の全米、全豪を制し、84年全仏、ウィンブルドン、全米と制した。84年最後の全豪に年間4大大会全制覇がかかったが、準決勝でスコバ(チェコ)に敗れ、快挙を逃した。

年をまたいだ4大大会連続制覇は、女子では、そのナブラチロワに加え、93~94年のグラフ、02~03年、14~15年のS・ウィリアムズ(米国)が、男子では15~16年のジョコビッチ(セルビア)が達成している。

◆全仏オープンは、WOWOWで5月26日~6月10日、連日生中継。WOWOWメンバーズオンデマンドでも配信。