【ロンドン30日=吉松忠弘】テニスの4大大会、ウィンブルドン男子シングルスで、世界182位の内山靖崇(26=北日本物産)が、14年全豪で初挑戦して以来、4大大会予選15回目の挑戦で、初めて本戦入りを果たした。「プロになってからの目標だった。本当にうれしい」。27日に行われた予選決勝は、5セットの激戦だった。「ロングマッチだったので達成感があった」。

日本男子では、14年ウィンブルドンで、杉田祐一が18回目の挑戦で初めて本戦入りした。それに次ぐ遅咲きかもしれない。「今思えば長かった」。錦織圭と同様に、日本テニス協会の盛田正明名誉顧問が創設した基金の援助を受け、ジュニア時代には米フロリダのIMGアカデミーに留学した。その才能がやっとシングルスで開花した。

サーブも速く、ネットプレーもうまい。そのスタイルから、ダブルスの要として、日本代表の切り札だった。ダブルスでは13年の対インドネシア戦でデビューし、現在まで12戦に起用されている。マクラクラン勉(27)とのペアでは、17年楽天オープンでツアー優勝を遂げた。

しかし、シングルスでは、なかなか壁を破れず。あちらこちらから「ダブルスに専念した方がいい」という声も聞こえた。「皆に言われた。ダブルスは好きだけど、小さいころの(シングルスの)目標はあきらめきれなかった」。1度も、ダブルス専念を本気で考えたこともないという。そうして、ようやく今大会で夢をつかんだ。

今年の春ごろから、メンタルトレーナーの指導を受け始めた。接戦の時に、ひと呼吸置くなど「会話からヒントがもらえる」。また、18年のアジア大会に代表として出場。最年長でまとめ役を任された。「視野が広がった。冷静に分析できるようになった」。それが、今大会にも役に立ったという。

攻撃的なプレースタイルから「すぐにでも上にいけると見る人も多いが、僕は実はこつこつタイプ」。目立たないが、地道な積み上げが、今大会の予選突破につながったという。4大大会記念すべき本戦初戦は、同92位のサンドグレン(米国)が相手だ。チャンスは十分にある。

◆ウィンブルドンは、WOWOWで7月1日~14日、連日生中継。WOWOWメンバーズオンデマンドでも配信