男子100キロ級で、ウルフ・アロン(23=了徳寺大職)が2大会ぶりの世界王者奪還を狙う。17年大会を制したが、昨年大会は3位決定戦で敗れ、メダルを逃した。今年4月の体重無差別で争う全日本選手権を初制覇し、夢の「柔道界の3冠」へ、残すは五輪金メダルだけとなった。その分、今大会へかける思いは強い。100キロ級は各国のスピード、パワーを兼ね備えたスーパーアスリートたちがそろう。2年連続世界選手権銀メダルのリパルテリアニ(ジョージア)や、16年リオデジャネイロ五輪銀メダルのガシモフ(アゼルバイジャン)らが強敵で、海外勢とハイレベルな戦いが予想される。

また、17年大会直前にバリカンでトレードマークの胸毛を刈って初優勝。験かつぎとして18年大会も刈って臨んだが5位に沈んだ。「結果と胸毛は関係ない」としながらも、今回は刈らずに生やして出場する意向を示しており、ワイルドな胸毛にも注目だ。

女子78キロ級で、「寝技女王」こと浜田尚里(28=自衛隊)は2連覇を狙う。山梨学院大時代に寝技強化の一環でサンボに取り組み、世界選手権で優勝した実績もある。前大会以降、安定した成績を残せず、寝技と関節技以外の立ち技に磨きをかけてきた。世界の強豪たちが恐れる「あり地獄」のような寝技をいかすためにも、立ち技が勝利のポイントとなる。世界ランキング1位のアギアール(ブラジル)らが表彰台の常連だが、20年東京五輪につなげるためにも世界王者に与えられる「赤ゼッケン」を死守したいところだ。