プロボクシングの元世界主要4団体ミニマム級覇者高山勝成(36=名古屋産大)が8月31日、岐阜工高で行われた全日本選手権東海地区予選のフライ級1回戦で、三重県代表宇津輝(日大3年)に0-3の判定負けを喫し、東京オリンピック(五輪)代表の可能性はなくなった。高山は「トーナメントですから、1敗すればおしまい」と言い、現役引退を表明した。

サウスポーの宇津に入り際を狙われ、カウンターの左を浴びた。1回に主導権を握られ、2回も同じパンチを3発食った。最終3回は接近戦で巻き返したが、ジャッジの判定は3人とも「28対29」。「負けたと思いました」と潔く“終戦”を受け入れた。

世界戦なら3分×12回のプロと、3分×3回のアマの違い。宇津は最高キャリアが久居高3年時のインターハイ5位だが、元世界王者は「焦ってしまった」と、競技性の違いを克服できなかった。

17年4月に五輪挑戦を掲げてプロを引退。山根明前会長体制だった日本連盟に当初はアマチュア登録を拒否されたが、体制一新に伴い、昨年10月にアマチュア資格を取得。夢はかなわなかったが「アマで戦えたことを誇りに思います」と話した。【加藤裕一】