20年東京オリンピック(五輪)を目指す植草歩(27=JAL)が貫禄を示した。都道府県対抗で争う女子団体に千葉代表として、全日本強化メンバーの多田野彩香(高栄警備保障)、沢江優月(帝京大)との強力チームで臨み、決勝では静岡を2-0で下して4連覇を果たした。

8日には個人5連覇を狙う。男子団体は決勝で大阪が香川を3-0で退け、現行方式となった08年以降で初優勝を飾った。

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女王植草が、眠い目をこすりながらも団体戦で強さを発揮した。マドリードでの国際試合から3日に帰国したばかり。まだ時差ぼけに悩まされ、試合の合間に「ちょっとだけ昼寝した」と明かす。初戦の相手には1度は逆転を許して苦戦を強いられたが、2018年の世界選手権銀メダリストは、何とか勝利を収めて目が覚め「2試合目以降はいいパフォーマンスを出せた」と調子を上げた。

中堅として出場した静岡との決勝では、一方的に得点を重ね、上段蹴りの大技も決めて一挙3ポイントを上積みするなど8-0で完勝。3分間の制限時間まで12秒を残した“コールドゲーム”でチームに栄冠をもたらし「4連覇できてうれしい」と笑顔を見せた。

5連覇を狙う8日の個人組手では、団体戦でチームメートだった沢江と初戦でぶつかる可能性が高い。帝京大の後輩にあたる19歳の有望株を「素晴らしい選手」とたたえつつ「自分がいる間は負けない」ときっぱり。実力と経験の違いを示すつもりだ。【奥岡幹浩】