県勢2校の戦いが終わった。女子は4年連続5度目出場の浜松開誠館が、昨年優勝の岐阜女(岐阜)に56-82。2年連続で3回戦進出も、目標の4強には届かなかった。

男子は5年ぶり6度目出場の藤枝明誠が、東山(京都)に73-100で完敗。菊地広人(3年)が両軍最多36得点を挙げるも、2回戦で姿を消した。

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三度目の正直はならなかった。今季公式戦2戦2敗の岐阜女への雪辱を狙った浜松開誠館だったが、いきなりハプニングに襲われた。第1クオーター(Q)終盤、松岡木乃美(このみ)主将(3年)が左膝を負傷。第2Qも1度はコートに立ったが、「踏ん張りが利かなかった」とベンチへ。試合序盤で柱を欠いた。

三島正敬監督(44)も「痛かった…。徐々に(守備の)隙ができてしまった」と悔やむ負傷交代。時間の経過とともに点差は広がった。山本涼菜(2年)は「1番悔しいはずの松岡さんが、ベンチから声をかけ続けてくれた。最後の大会を終わらせてしまって申し訳ない」と悔やんだ。昨年覇者の壁は厚く、4強を目指した戦いが幕を閉じた。

それでも、先発5人中4人が2年生とチームは大きな伸び代を残す。1、2回戦では松岡がファウルトラブルに見舞われながら接戦を制し、2年連続の16強入り。発足当初“主将頼み”だった下級生たちが、成長を見せた舞台でもあった。

卒業後は航空自衛隊に進む松岡。バスケ人生最後の試合は無念の結果となったが、「3年間楽しかった。悔いはない」ときっぱり。最後は「みんな強い気持ちでゴールに向かっていた。来年は16強を超えてほしい」と涙を拭き、後輩に思いを託した。【前田和哉】