東京オリンピック(五輪)代表の伊藤美誠(19=スターツ)が史上初の3年連続3冠(女子シングルス、同ダブルス、混合ダブルス)へ向け、まずは1冠を手にした。

森薗政崇(24=ボブソン)とのペアで、張本智和(16=木下グループ)長崎美柚(17=エリートアカデミー)組を3-1で下した。

伊藤は東京五輪男子のエース、張本に対し、積極的に仕掛けた。ラケットのバック側に、相手のボール回転の影響を受けにくい「表ソフトラバー」、フォア側に回転をかけやすい「裏ソフトラバー」を使う異質型から繰り出されるボールに、張本も苦戦した。

第1ゲーム、3-5とリードを許す場面で伊藤が見せる。フォア強打で張本のネットを誘い、4-5。今度はクロスに打ち込んだバックハンドに張本の返球がアウトとなり、5-5-と追いついた。そのまま同ゲームを11-6で先取した。

張本は「異質型は男子ではあまりいない。取るのが難しかった」と述べた。

「競り合いを制すことが出来て良かった。切り替えて他の種目に臨みたい」と伊藤。1936年(昭11)の第1回大会から85年、79回(第2次世界大戦のため41~45年は中止)の歴史で誰も成し遂げたことがない偉業へ、気合十分に語った。