全国高校体育連盟は26日、ウェブ会議による臨時理事会を行い、8月10日から18日に東北から九州の21府県で分散して行われる全国高校総合体育大会(インターハイ)を新型コロナウイルスの感染拡大のため中止することを決定した。

63年に新潟県で第1回大会が行われた高校スポーツの祭典が史上初の中止に追い込まれた。県内関係者も重く受け止めた。

18年インターハイで優勝した開志国際の男子バスケットボール部・富樫英樹監督(57)は「現状からすれば中止もやむを得ない。子どもたちの命の方が大切」。冬には全国高校選手権がある。「みんなで終息に取り組み、次に動きだすのはそれから。生徒たちは次の目標へ前を向いてもらいたい」と話した。

18年インターハイ団体準優勝の実績を持つ北越の女子ソフトテニス部、津野誠司監督(59)は「3年生は心に空洞ができてしまったと思う」と、選手の心中を察した。そして「コロナの状況を見てだが、県内だけでも選手の努力を表現できる場をどうにか設けたい。ここからは各指導者の出番」だと言う。

選手としてインターハイ優勝経験を持つ開志学園ボクシング部の仁多見史隆監督(45)は「ショックのひと言」。一方、部活動中止が続き選手の体力が低下していることを踏まえ、「ボクシングは減量が伴う。今の状況では試合ができるコンディションづくりは難しく、危険が伴う」と現実と向き合った。