NBAウィザーズの八村塁(22)が11日(日本時間12日)、米フロリダ州オーランド近郊に移動後3度目の練習を終え、オンライン取材に応じた。チームの大黒柱ビールらを欠く状態でリーグ戦再開を迎えることが決まっている中で、日本人ルーキーは、攻撃面の中心的存在としての自覚をにじませた。

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新人ながらもチームを引っ張ろうとする気概にあふれている。リーグ戦再開の地オーランドでこの日の練習を終えた八村は、「ブラッド(ビール)やDB(ベルタンス)がいないということで、チームとして若くなった。僕としても楽しいし、チームもすごくいい雰囲気」。充実した表情を漂わせた。

チーム最多となる1試合平均30・5得点のビールは右肩を故障。同2位のベルタンスも不在となるなか、3位平均13・4得点の八村にかかる期待は大きい。「僕もそういうことは意識してやっている。得点だけでなく、プレーメークも積極的にやっていきたい。日本代表でもそうだし、今はその立場にならなければいけない」。攻撃の軸として、中断前より一層の存在感を示すつもりだ。

首都ワシントンからオーランドに移動した直後は、ホテルの部屋から出られない状態が34時間続いた。他の選手からは不満の声も漏れ聞こえたが、八村は「これまで隔離されてきたことを考えれば、大したことはなかった」と、泰然自若の構えだ。

練習場所や試合会場、宿泊先などはすべてディズニー・ワールド・リゾートの施設内にある。チーム公式ツイッターでは、記者会見後、コーチらとボートに乗ってリラックスしている八村の表情がアップされた。

ウィザーズは22日からの練習試合を経て、31日にサンズとの初戦を迎え、シーズン残り計8戦を戦う。心身充実のルーキーが、逆転でのプレーオフ進出を狙うチームの原動力となる。【奥岡幹浩】