今月末の任期満了で退官するスポーツ庁の鈴木大地長官(53)が25日、都内で会見した。5年間の施策を振り返りながらも、新型コロナウイルスの影響で東京五輪・パラリンピックが1年延期されたことについて「史上最多のメダル獲得でワーッとやって終わりたかった。最後の仕上げができなかったのは心残りではある」と正直に吐露した。

15年10月、スポーツ界が長年創設を待ち望んだスポーツ庁の初代長官に就任。スポーツ実施率の改善、生涯スポーツの振興、スポーツを通じた地域の活性化、競技団体に対するガバナンスコード作成など次々に取り組んだ。競技力向上では17年に「鈴木プラン」を発表。東京大会が延期となったことで「成果を見られなかった。中途半端、画竜点睛を欠いた」と話した。

10月1日からは長官就任前に教授を務めていた母校順大に「常勤ではないが、戻る予定」。来春の千葉県知事選への出馬もささやかれるが「詳しいことは言えない」と明言は避けた。今後は「スポーツを楽しみ、自ら実践していきたい」と話し「方針が急に変わっては選手が戸惑う。鈴木プランは(後任の)室伏長官に継承していってほしい」と話していた。