女子の樋口新葉(19=明大)がフリーで大技トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に挑んだが、回りすぎて着氷が乱れた。武器のスピードを生かした幅の広い1本。出来栄え点でマイナスが付くジャンプにはなったが、「目標にしていたアクセルを片脚で降りられた自信につながりますし、こんなに大きな会場で降りられたのは本当に次につながるなと思いました」「オーバーターンしてしまい、ばしっと決めることはできなかったけど、回転不足などにならずに片脚で降りられた。次はしっかり着氷できるように、プラスをもらえるように練習したい」と前を向いた。

昨季は終盤に投入した3回転半を初戦から組み込むことが今季の目標だった。先月のアイスショー「ドリーム・オン・アイス」では転倒していたが、この日は2季目となるフリー「ポエタ」の調べに乗って、回りきった。「試合となると、0か100しかない。今日は0点。ただ、練習からアクセルだけ見たら70点を与えてもいい出来だった。それをしっかり100点で試合にもっていきたい」と振り返った。

中盤のループ、終盤のルッツで3回転が1回転になるミスが出たため、得点は123・01点と伸びずも、「久しぶりの大会で滑らせていただき、緊張したんですけど、アクセルを入れられたのは自信につながるし、次につながる」と表情は明るかった。

大会は例年、日本、北米、欧州の3地域からプロとアマチュアの男女混合チームで対抗戦の形式を取ってきたが、今年は新型コロナウイルス感染拡大により国内選手のみで行われた。各5人の2チーム(レッド/ブルー)で行い、シングルのフリー演技の合計点をチームの総合点とした団体戦で、樋口が属したブルーが優勝した。