昨年準優勝の福岡大大濠(福岡)が、粘る関大北陽(大阪)を振り切った。

第1クオーターは28-14と好スタートを切ったが、第2クオーターからじわじわと追い上げられた。45-38の7点差で前半を終えると、第3クオーターには49-44と5点差まで詰め寄られ、会場にも波乱の空気が漂いはじめた。

このいやな流れを断ち切ったのが西田陽成(3年)の決定力だった。第1クオーター途中でベンチに下がったが、第3クオーター開始から再びコートに立った。49-44と詰め寄られた直後、3ポイントシュートを決めると、速攻でもゴールを決めて一気に10点差に広げた。「最初から迷ったシュートは打たないと決めていた。あそこで決められてよかった」と振り返った。

1回戦の岡山商大付戦は11得点にとどまったが、この日は5本の3ポイントシュートを含む25得点と本領を発揮した。「1回戦は自分の仕事ができなくて、相手のレベルが上がると、自分がやらないと苦しくなると思い、最初から終わりまでずっと強気でやった。3ポイントはシュートタッチがよくて、強気でいけば入ると思っていた。勝負どころで強気で打って、あの展開に持ち込めたのでよかったと思います」。

3人兄弟の三男。2人の兄も福岡大大濠OBで、今大会で準優勝している。昨年は1つ上の兄と一緒に出場した。「自分も兄にいい経験をさせてもらったので、その経験を生かして優勝できたらいいと思います」。コロナ禍で唯一の全国大会となる今大会で、2人の兄を超える頂点を目指す。