聖隷クリストファー(静岡)は、市尼崎(兵庫)に0-2で敗れた。自身のスパイクがアウトと判定されて敗退が決まり、内藤理央主将(3年)は「最後は思いを込めて打ったのですが…」と言葉を振り絞った。

チームは相手の高さに苦しみ、1セット目は常に主導権を握られた。第2セットは中盤までリードを奪うも、終盤は相手の反撃に押し切られた。力の差を思い知らされ、内藤は「相手は高くて強かったです」と完敗を認めた。続けて「今まで、朝から夜までバレー漬けだったので、これで引退かと思うと不思議な感じです」と心境を語った。

ただ、チームには明るい兆しもあった。2セット目から出場した砥綿(とわた)蓮(2年)が、3得点。174センチと小柄ながら、スピード感あふれるプレーで相手のブロック陣を翻弄(ほんろう)した。試合に敗れ、大粒の悔し涙を流したが「まだ全国レベルには届いていないと実感したが、ブロックアウトを意識したプレーは通用した」と手応えを口にした。

今大会はコロナ禍での開催のため、ベンチ外の1、2年生は帯同できなかった。だからこそ、高いレベルを肌で感じた砥綿は「来年は自分がエースになり、チームを勝たせる選手になる」と誓った。【河合萌彦】