柔道女子代表の増地克之監督(50)が16日、オンライン取材に応じ、世界ランキング上位者で争うワールドマスターズ大会(ドーハ)を総括した。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、昨年2月以来の国際大会だった。東京五輪代表3人を含む計6人が出場し、金メダル2個、銀メダル4個を獲得した。15日に帰国した指揮官は「約1年ぶりの国際大会で不安と期待が入り交じる中、全選手とも非常に落ち着いて試合に臨めていた。6人とも決勝に残り、最善の力は出せたかと思う。ただ、結果以上に試合をできたことの方が大きかった」と振り返った。

現地では、カタール政府や国際柔道連盟(IJF)などの規定に基づいて行動した。外部との接触を遮断する「バブル」が適用され、試合会場と練習会場、ホテル以外は外出できなかった。ドーハ国際空港到着後にもPCR検査を受け、約18時間後の結果が出るまではホテル部屋で缶詰め状態だったという。「2日に1回ぐらいの頻度でPCR検査を受けた。(回数が多いため)ストレスと感じる選手もいたが、それをやることで安全に試合ができた。五輪もこのような形になると考えると、検査も経験できたことはプラスだと思う」。選手は出国から帰国まで計6回のPCR検査を受け、全員が陰性だった。

今大会は、コロナ禍前の大会運営とは異なる点も多々あった。選手たちは海外遠征で柔道着やトレーニングウエアなどを自分で洗濯することが多く、海外選手は廊下に外干ししたりもする。しかし、今回の宿泊ホテルは、「3点まで無料」のクリーニングサービスがあったという。増地監督は「洗濯サービスはありがたいし、選手にとっては良かったと思う」と話していた。