女子は小嶋咲良(天童1年)が優勝し、地元開催を最高の形で締めくくった。技のキレ、迫力感、正確さ全てで他の選手を上回り22・94得点をマーク。3月に開催される全国選抜大会(東京)の出場権を手にした。「高校生になって東北大会初優勝。不安と緊張があったけど、楽しんでやることができた」と笑顔で振り返った。

「はい!」の大声とともに小嶋が畳に入る。決勝で採用したのは勝負形のアーナン。しなりを意識し体を連動させる形だ。力強い拳が空を切り裂き、最後まで表情を崩すことなく演武した。「結構難しい形なんですけど、今までやってきたので一番自信がある。しっかり自分の表現ができた」と胸を張った。

2歳年下の弟の影響で小学1年から空手を始めた。「最初は自分もやってみようかなの感覚。でも、弟より火がついてしまった」。試合に勝つたび、すっかり空手にのめり込んでいったという。「空手の形は自分だけの世界。集中して自分の姿を見せられるのが楽しい」と声を弾ませる。

今日22日は団体形、個人組手、明日23日は団体組手が行われる。「全部出場する予定なので、自分らしく力強く打ちたい」。まずは個人形を制し、次は東北4冠を目指す。【佐藤究】

<鈴木全国初V誓う>

全国大会推薦選手の聖和学園・鈴木遥名(2年)は東北地区第1代表決定戦のみの出場となった。片足になって鶴を表現する高難易度の形「岩鶴(ガンカク)」を披露。東北大会優勝を飾った小嶋との一騎打ちを制した。試合後は「素直にうれしい」とニッコリ。中学2年の時には「少年世界空手道選手権」に出場し、世界一に輝いた実績を持つ。それでも、「日本での最高成績は2位なので、選抜大会で優勝を狙う」と全国舞台での初優勝を誓った。