今季限りでの現役引退を決めている河西萌音(山梨)が、スケート愛をリンクに刻んだ。

「このジャンプを成功したいとか、技に対する意識を向けている選手も多いですが、わたしは表現することが好きという気持ちを表したい。練習の時から最後に1番いい形の演技、見ている方に気持ちが伝わる演技を届けたいと思っていて」。得点は43・50点も、表現面で自分らしさを発揮できた。「おそらく引退前最後の試合になるので、とりあえず楽しんで滑ろうと意識していたので、ミスはあったんですけど、気持ちよく滑れたのは良かった」と笑みが浮かんだ。

競技人口が決して多くはない山梨県で、幼少期から競技を続けてきた。「普段からスケーティングに時間をかけて取り組んでて、長いときには1時間近くスケーティングを練習します。踊りや伸びが山梨のスケーターの魅力かなと思ってます」。その成果を存分に体現した。

「(30日の)フリーはいろんな表情が見せられるプログラムでもあるので、自分の世界観を作り上げていけたらいい」。思いを込めて、滑りきる。