カナディアン・フットボール・リーグ(CFL)で日本から6人が指名された。グローバル・ドラフトを15日にカナダ・トロントで開催。Xリーグのアサヒ飲料LB丸尾玲寿里(れすり=25)が、1巡目の全体4位でウィニペグから指名を受けた。

CFLは19年から米国とカナダ以外を対象に、各チーム2人のグローバル選手枠を設けた。13人の練習生枠ではグローバル選手を最大3人まで保有できる。昨年のドラフトはコロナ禍で中止となり、今回が初めての開催だった。

残る5人は2巡の全体13位でLB山岸明生(26=富士通)がモントリオール、15位でOL町野友哉(24=同)がウィニペグ、16位でK佐藤敏基(27=IBM)がトロント、3巡の19位でK山崎丈路(27=オービック)がBC(ブリティッシュコロンビア)、24位でRB李卓(26=同)がモントリオールから指名された。

日本人トップ指名の丸尾は、米1部のテキサス大サンアントニオ校で2年間プレー経験を持つ。母が日本人、父がスコットランド人の静岡生まれ。10歳で米カンザス州ウィチタへ移住し、地元のハッチンソン短大から転校してプレー。プロ入りはならず、19年にアサヒ飲料に入団していた。

CFLサイトでもドラフト前に有望選手として、日本から唯一人紹介されていた。183センチ、102キロ。日本人選手が海外で苦労する英語に問題なく、チームにすぐに溶け込る利点もある。ウィニペグは1930年創設の名門で、19年に29年ぶり11度目の優勝を飾っている。

丸尾は「日本人として初めて指名されてとてもうれしく思う。最高の選手になるため、日本を代表するために、これまで以上に努力していきたい。日本選手が大きな夢を描けるようにモチベーションを与え続け、CFLでビッグプレーができるように頑張ります」とコメントした。

指名された6選手は、5月中旬から各チームのキャンプに参加する。約3週間のトレーニングを経て、6月6日に46人の正式登録選手が決まり、6月11日の開幕を迎える。9チームが東西2地区でのリーグ戦は10月31日までで、11月21日に優勝を争うグレイ杯となる。

今ドラフトでは22カ国88人から36人が指名され、グローバル枠は各チームあと1人ずつある。日本からは今回12人がエントリーし、指名漏れでも可能性は残っている。

李はNFLインターナショナル・プレーヤー・パスウェー・プログラム候補で、9日に10週間のトレーニングを終えた。今回はエントリー外からの指名で、30日からのNFLドラフト後の結果発表を待っている状況にある。

CFLはアメリカンフットボールと基本ルールは変わらない。エンドゾーン20ヤードなどグラウンドが広く、各チーム12人による3ダウン制。1人多い選手はWRかDB。前方へのモーションも許され、パス中心となる。

CFLはNFLに次ぐプロリーグであり、ここで活躍してNFLへと昇格した選手も多数いる。CFL入りは日本人初のNFL選手誕生へ1歩前進となる。