車いすテニス男子シングルス世界王者、国枝慎吾(37=ユニクロ)が3年ぶりの優勝に王手をかけた。同6位のステファン・ウデ(フランス)に5-7、6-0、6-4の逆転で勝ち、決勝では同3位のアルフィー・ヒューエット(英国)と対戦する。

1回戦と同様に、サーブの不調で苦戦した。9本のダブルフォールトで、サーブが入っても伸びがないため、リターンで主導権を奪われた。最終セット0-2とリードを許したが、そこから一気に逆転。最後は、相手が力尽き、約2時間半で勝利をものにした。

球足が遅く、決まりにくい赤土でも、なるべくライジングで打つ速い攻撃を自分に課してきた。赤土で機能すれば、唯一、優勝のないウィンブルドンのシングルスや、東京パラリンピックにも使えると判断しての挑戦だ。

決勝のヒューエットは昨年の全仏覇者。対戦成績は12勝9敗と国枝がリードしているが、今年2月の全豪準決勝では敗れている。悔しい敗戦から、王者が赤土で雪辱を狙う。