世界49位の錦織圭(31=日清食品)が、約10年7カ月維持した日本男子のエースの座から転落することが確定した。

同6位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)に4-6、1-6、1-6で敗れ、4大大会通算100勝目、19年以来のベスト8進出はならなかった。この結果、14日に発表予定の最新世界ランキングで、西岡良仁(25=ミキハウス)が、錦織を抜いて初めて日本男子NO・1に躍進する予定だ。

錦織は、10年11月8日付の世界ランキングで120位となり、前週の日本男子NO・1だった添田豪の121位を抜き、初めて日本男子NO・1の座に就いた。それ以来、3872日の間、日本のエースをになってきた。

その間、日本NO・2が最も錦織に迫ったのは、18年4月2日から2週間、錦織が39位、杉田祐一が43位。その差、4位だった。しかし、そのピンチも、自ら世界ランクを押し上げることで差を広げ、18年11月5日には9位となり、決してエースの座は明け渡さなかった。

世界ランキングは、20年の新型コロナウイルスの感染拡大のため、ツアーが中断した期間の3月から8月まで凍結された。得点は、通常、獲得した大会の期日から、52週しか保持できない。しかし、再開後は、暫定的に異なった方式が採用され、19年に獲得した得点も有効となる大会があった。

そのため、錦織は19年ベスト8で獲得した360点を保持しており、今大会終了後に消滅する。そして、今大会で獲得した180点が加わる。現在の合計得点は1318点。差し引き、1138点が14日の予想得点だ。

対する西岡は、現在の1142点と変わらず、わずか4点差で逆転することになる。世界ランクとしては、ともに50位台が予想され、その差は、たぶん1~2位の僅差となる。もし、錦織がトップ50から転落すると、11年9月26日の週に54位だった時以来となる。

◆全仏オープンはWOWOWで全日生放送、同時配信される。