9月26日、F1第15戦ロシアGP決勝が行なわれ、ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が大逆転で優勝し今季5勝目、通算100勝目を挙げた。

レース序盤をリードしたのは2番グリッドのカルロス・サインツ(フェラーリ)だったがポールポジションのランド・ノリス(マクラーレン)が13周目に抜いて首位を奪還。そこからノリスはレース終盤までレースをリードしたが、スタートで4番グリッドから7位まで後退したハミルトンはピットストップを遅らせることで2位まで順位を上げてノリスに迫った。

残り8周という時点で雨が降り始め、急速に雨脚が強まって路面はウエットに。ここでインターミディエイト(浅溝)タイヤへの交換を決断したドライバーは大きくポジションを上げたが、ドライタイヤのまま粘ったノリスは大きくペースを落として8位まで後退。結果的にハミルトンがイギリスGP以来2カ月ぶりの勝利を挙げた。

「100勝までとても長い時間が掛かって、いつやってくるのかも分からないくらいだった。ランドはすごいペースで素晴らしい仕事をしたよ。スタートで大きくポジションを落としたけど、とにかく混乱に巻き込まれないことが大切だったし、雨が降ってきた時にもチームが素晴らしい仕事をしてくれることは分かっていたから不安はなかった」

最後尾グリッド降格ペナルティを受け20番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は、ドライコンディションではタイヤの磨耗に苦しんで7位に留まっていたが、雨が降ってきたところでいち早くインターミディエイトタイヤへの交換を決断し、2位まで順位を上げてフィニッシュ。ドライバーズ選手権は2点差でハミルトンが逆転して首位を奪還したが、フェルスタッペンとしてはペナルティ消化レースを最小限のダメージで終えたかたちとなった。

終盤に3位に上がっていたセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)はタイヤ交換が遅く9位に後退、アルファタウリ・ホンダ勢はピエール・ガスリーが13位、角田裕毅はソフトタイヤに交換するギャンブルに賭けたが上手くいかず17位でレースを終えた。(米家峰起通信員)