16年世界ジュニア選手権女王で、シニア5年目の本田真凜(20=JAL)が、約1年ぶりの公式戦となる今季初戦を迎えた。

妹で女優の望結(17=プリンスホテル)と同組で競演することになった中、黒とワインレッド、ピンクの衣装で登場。今季のSP「アサシンズ・タンゴ」を披露した。

冒頭の3回転トーループ-2回転トーループを決めると、続く3回転ループもノーミス。最後のダブルアクセル(2回転半ジャンプ)は両足着氷と回転不足の判定を受けたが、あとは情感たっぷりに演じ切った。

ややスピードが出ておらず、本人も得点を待つ間に「遅かった」と反省していたが、まずは53・58点の7位で発進。年末の全日本選手権につながるブロック大会の初日を終えた。

直前の6分間練習では日本航空の赤ジャージー姿で体を温め、2連続ジャンプやループなどの感触を確かめていた。そのジャンプは着氷。昨年は無得点に終わった3回転ループを決めて加点を引き出すなど、ミスが減り「練習量は去年より増えている」と一定の自信を見せた。一方で「試合への感覚が薄れているので、試合が近付いてくると1カ月前にできていたものが緊張や不安でできなくなったり」と久しぶりの感覚も味わいながらのスケーティングとなった。

今季SPの曲名を聞かれると「何とかタンゴなんですけど」と「アサシンズ(暗殺者の)」をド忘れする天然ぶりを見せる場面も。「ローリー・ニコルさんにリモートで振り付けしてもらったもので、暗殺者の映画です(「Mr.&Mrs.スミス」から)。今日は慎重になり過ぎて軽いスケートだったので、もっと力強く滑れたらいいな」と紹介した。

続けて「もともとミーシャ(・ジー)さんに『アヴェ・マリア』を作ってもらおうとしたんですけど、リモートやフルサイズのリンク環境でできなかった時期で、うまくいかなかったんです。それで今日のSPでやっていこうとなりました」。同氏に振り付けを依頼することは5月にツイートしていたが、変更になった理由を明らかにした。

かつて演じた「ラバーズ」を舞うフリーは9日の午後2時40分から行われる。【木下淳】