女優業とスケートを両立する本田望結(17=プリンスホテル)がシニア2季目の初戦を迎えた。合計41・36点の21位だったが、スケートに懸ける思い、覚悟をあらためて口にした。

2年連続のSP「マイ・ジレンマ」を黒ベースの衣装で舞い、冒頭の3回転サルコーは着氷。しかし4分の1回転不足と判定され、続く3回転ループとダブルアクセル(2回転半)は転倒した。

6分間練習で試していた冒頭の2連続も付けられなかったことで、技術点は全体24位の19・60点と伸びなかったが、持ち前の表現力は確か。演技構成点の23・76は全体11位と評価され、合計21位に踏みとどまったことで、出場34選手のうち24選手に絞られる翌9日のフリーに進んだ。

試合後、報道陣の取材に応じ「自分は結果とか言える選手ではないので」と謙虚に現状を認めつつ「練習する時間がないのは、自分がスケートもする上での条件。限られた時間の中、どこまで持ってくるかが私が最も大事にしていること。結果だけ見ると良いとは言えないと思うんですけど、自分の中では軸というかテーマとしている、逃げずに頑張ることはできた」と自信を持って言った。

今季も多忙を極め、トレーニングに割ける時間は少ない。それでも「小さいころからスケートと、お芝居をしてきて、やめようってタイミングもありました。でも、お姉ちゃんと妹(紗来、14=大阪・関大中)と滑ることがやっぱり好きだし、だからスケート靴のひもを結ぶし。姉も言っていましたが、試合に近づくにつれ、緊張も不安も出てくる。楽しいだけじゃない。でも、嫌いになるまで精いっっぱいやる。両立の割合も考えたことがなくて、試合が近くなればスケートに励むし、いただいた撮影やお仕事は全力で。それが今も変わらぬ私のテーマです」と力を込めた。

その覚悟で進んだフリーでは「太鼓の音がメインになっている曲。音楽を感じながら気持ち良く滑ることができれば。しっかりと音を聴きながら、でも今日みたいな思い切りの良さを出したい」と熱い思いを込めていた。【木下淳】