「マッチョ柔道家」こと佐々木健志(25=ALSOK)が、決勝で21年世界選手権銀メダルのグリガラシビリ(ジョージア)を下し、優勝した。全5試合オール一本勝ちで、国際大会では2年10カ月ぶりに金メダルを獲得した。

佐々木は序盤から積極的に攻撃し、試合開始50秒過ぎに豪快な背負い投げで技あり。その後も、ともえ投げや担ぎ技で世界ランク1位の相手を揺さぶり、1分17秒に内股で勝負を決めた。

準々決勝は21年世界王者で東京五輪銅メダルのカッス(ベルギー)に一本勝ち。寝技の攻防が続いたが、相手に何もさせず最後は横四方固めで仕留めた。

父の影響で3歳から柔道を始めた。島根・平田高2年時に階級を81キロ級に上げて全国高校選手権で初優勝。筑波大進学後は、膝の靱帯(じんたい)断裂などのけがにも苦しんだが、171センチの小柄な体格を駆使するためにスピードと肉体を強化。多彩な立ち技と得意の寝技で攻撃するプレースタイルを確立した。柔道界随一の筋肉の持ち主でもあり、小兵ながら昨年12月の全日本選手権では3位入賞。準々決勝では、3度の優勝を誇る体重145キロの王子谷剛志(旭化成)を下すなど圧倒的な存在感を示した。

81キロ級は東京五輪で永瀬貴規(旭化成)が金メダルを獲得した。今大会は24年パリ五輪の会場と同じアコーホテルズアリーナで行われ、ほぼ満員の観客に見守れる中、25歳のマッチョ柔道家が「立ってよし、寝てよし」の柔道スタイルで3年後の代表争いへ猛アピールした。

また、東京五輪代表補欠の藤原崇太郎(旭化成)は3位だった。