12月12日、2021年のF1最終戦アブダビGP決勝が行なわれ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が最終ラップに逆転して優勝し、自身初のドライバーズチャンピオンに輝いた。

ポールポジションのフェルスタッペンはスタートで出おくれ、2番グリッドのルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が首位に立った。1周目にあわや接触という場面もあったがハミルトンは首位をキープ。その後もレースをリードしてフェルスタッペンを寄せ付けなかった。

フェルスタッペンはVSC(バーチャルセーフティカー)のスロー走行を利用してピットインし2ストップに切り替えフレッシュなタイヤで猛追したが、それでもハミルトンに追い付いて行くことはできず。

フェルスタッペンは打つ手がなくなり勝負あったかと思われたが、残り4周でウイリアムズのマシンがクラッシュしてセーフティカー導入となり、ここで首位ハミルトンはピットインができずフェルスタッペンがピットインしてソフトタイヤに履き替える。

レースは残り1周で再開となり、44周走り込んだハードタイヤのハミルトンを一気に追い詰めたフェルスタッペンがオーバーテイク。最終周に逆転優勝を飾り、絶望的な状況から大逆転で自身初のタイトル獲得を決めた。

「信じられないよ。僕はレース全体を通してファイトし続けたけど、最後についに僕に運が向いた。チーム、ホンダ、みんながこのタイトルに相応しい。チームプレイをしてくれたチェコ(セルジオ・ペレス)にも感謝している。2016年から僕を信じてきてくれたチームに感謝しているよ」

コンストラクターズ選手権はメルセデスAMGが制したが、今年限りでF1から撤退するホンダにとっては1991年以来のドライバーズタイトル獲得となった。

ハミルトンは「まずはシーズンを通して素晴らしい走りをしたマックスを讃えたい。そして僕らのチームも全員が全力を出し切った。僕らはここから強くなって来年戻ってくるよ」

残り1周のバトルでピットインしてソフトタイヤに履き替えた角田裕毅も好走を見せて4位、ピエール・ガスリーが5位でフィニッシュ。3位表彰台まで0.519秒の僅差だった。(米家峰起通信員)