フィギュアスケート男子で冬季五輪2連覇の羽生結弦(27=ANA)が、約8カ月ぶりの実戦復帰となる全日本選手権(22~26日、さいたまスーパーアリーナ)で今季初戦を迎える。

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公式練習当日の22日夜、大会を中継するフジテレビ系のニュース番組「Live News α」のインタビューに応じ、「とりあえず4A込みでフリーやるつもりです。4A込みで頑張りたいと思ってます」と世界初の成功を目指すクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)投入への思いを語った。

「いろいろな視点でアクセルへのアプローチを考えて、自分自身もいろいろなことを研究して、4Aについて考えて、やっと自分の理想の、今までの道のりから考えたら、やっと7割ぐらいまで」と説明した。練習では降りたことはないという。「降りてはいないですけれど、形として4Aだねっていうぐらいの形には。とにかく最後まで希望をつなげていければと思います」と見据えた。

インタビューでは、初めて北京五輪への意欲も示した。「僕がどうこう言って五輪が決まるわけじゃない。なんともいえない。4A次第。ただ、取りにいけるのであれば取りにいきます。前からずっと言っていたように、4Aの習得への道が五輪につながっているのであれば、全力で取りにいかないといけない」と力を込めた。

気持ちが変わったのは前日だという。「まだふわふわはしているけれど、今のところ、譲る気はないです」ときっぱり。「昨日練習して本当に尋常じゃないぐらい、これで世界が終わってしまうんじゃないかっていうぐらいの練習をしてきて、ここで跳べなかったら終われない。回転はギリでいっているけれど、降りきれず、自分に問いかけた。本当にこんだけ支えてもらいながら、中途半端なところで自己満足して終わっていいのかなってすごく考えて。いま、僕の中で一番うまい。だから諦めたくない。諦め悪いなとか、もうそろそろ解放させてくれと思っている自分もいるけれど、小さい頃の記憶をたどると許されない」と語った。

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この日、公式練習は回避したものの、開会式・抽選会には出席した。23日の公式練習から参加するが、その前に現時点の考えを語った。

右足関節靱帯(じんたい)損傷から復帰し、出場を決めた全日本選手権では、今年4月の世界国別対抗戦以来の演技を披露する。男子ショートプログラム(SP)は24日、フリーは最終日の26日に行われる。