“フェラーリ花織”が重圧をはね返した。

北京五輪代表3枠入りで2大会連続出場を目指す坂本花織(21=シスメックス)が首位に立った。演技後半で得点源となるフリップ-トーループの連続3回転などを成功させ、国際スケート連盟(ISU)非公認ながら79・23点の自己ベストをマークした。

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好成績の裏には、万全の準備があった。試合後の取材エリアで笑わせた。

「私は動けば動くほど、動けるタイプなんです。先生(コーチ)たちに『フェラーリ』って言われています。エンジンがかかるまで最初は時間がかかるけれど、かかりだしたら、すごく動きます」

この日は会場のさいたまスーパーアリーナの周りを全力で走り、氷に立ったという。

「試合でベストな演技ができるように、外を走っていました」

演技前のロッカールームでは、ともに第4グループで同い年の樋口新葉(20=明大/ノエビア)と談笑。緊張をほぐしあい、互いに好結果につなげた。

2位の樋口に4・57点差をつけ、25日にフリーを迎える。

「4年前は一番下っ端で(平昌)五輪の2枠に運が良ければ入りたかった。今年は優勝して、内定を決めたい」

フェラーリのように、このまま突っ走る。【松本航】

◆フィギュアスケート北京五輪代表選考◆

シングルは男女ともに最大3枠を確保しており

(1)全日本選手権の優勝者が1人目

(2)全日本2、3位、GPファイナル出場権獲得者(中止を受けて修正)、全日本終了時のISUシーズンベストスコア上位3人、の中から2人目

(3)最後に(2)で漏れた選手に、ISU世界ランキング上位3人などの条件を満たした候補を加え、総合的に判断して3人目を決める。全日本出場は原則必須だが、過去に世界選手権3位以内の実績を持つ選手が負傷等でやむなく参加できない場合の救済措置もある。