女子テニスで、4大大会4度の優勝を誇る大坂なおみ(24=フリー)が、世界ランキングで大幅に転落だ。女子テニス協会(WTA)は31日、最新の世界ランキングを発表。大坂は世界85位となり、前回の17日付の14位から急降下した。大坂がトップ50から陥落するのは18年2月12日の週に51位になって以来。80位台は、16年8月29日の週に81位だった時以来で、1975日、5年4カ月27日ぶりの転落だ。

世界ランキングの合計点は、過去52週間に出場した大会の上位16大会を合計した点数となる。大坂は、昨年の全豪で優勝し獲得した2000点が消滅し、今年の全豪3回戦進出で獲得した130点が加算されただけで、大量の1870点を失った。

世界85位なら、128人が出場する4大大会なら、本戦から出場できるランキングだ。しかし、4大大会に次ぐ規模で、本戦に出場する選手の数が56人だと、非常に厳しいランキングだ。昨年の全仏前哨戦イタリア国際(ローマ)が該当するが、予選を経ずに本戦入りできた選手の最低ランキングは50位だった。この場合、85位は予選に回るか、主催者推薦枠をもらい本戦から出場するかになる。

4大大会本戦に出場できても、85位だとシードはつかない。1回戦から第1シードら、強豪選手と対戦する可能性が増える。大坂の実力なら、十分に戦え、勝つことも可能だ。しかし、4大大会は優勝まで7試合。早期回戦でエネルギーを使うと、その後、心身ともに厳しくなる。

全豪の最中、世界ランキングの転落について、大坂は聞かれた。しかし、「あまり気にしていない。年間を通して、今の調子でプレーできれば、十分に上がっていけると思う」と意に介していない。シードがつかなくなることにも「対戦相手の方が心配しているんじゃないかしら」と、危険なノーシード選手としての立ち位置を楽しんでいるようだ。

大坂の場合、あまりにも出場大会数が少ない。世界ランキングの対象となる過去52週で、現在、7大会しか出場していない。少ない大会で集中し、すべて好結果につなげるか、多めに大会に出て、早期敗退の大会は切り捨てるか。近々、100位以下に転落する危機も迫っており、大坂の今後のスケジュールや成績から目が離せない。【吉松忠弘】