スノーボード男子ハーフパイプで、4年後の飛躍が期待されるのが平野海祝(19=日大)だ。北京五輪で金メダルに輝いた平野歩夢の弟で、初出場だった今大会では9位と健闘した。

縦3回転の大技を持つ兄とは滑りのタイプが異なり、高々と浮き上がるエアが最大の特徴。今大会では高さ7・4メートルという記録的な数値を記録した。「自分としては納得できる内容だった。すごく楽しい五輪になった」。現時点で持つパフォーマンスはしっかり出し切った。

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兄のソチ五輪銀メダル獲得を11歳のときに地元のパブリックビューイングで見届けたことで、この競技を本格的に始めた。18年世界ジュニア選手権銅メダル、20年ユース五輪銀メダルと世代別の大会で着々と成果を上げ、北京五輪直前に急上昇した成長株。選考レース終盤に逆転する形で出場切符をつかみ、4年後に向けて本番でも貴重な経験を積んだ。兄歩夢は「あの大きなエアは海祝のスタイル。高さだけは誰にも負けない、というこだわりを感じる。パフォーマンスがうまいし、これからさらに成長していくと思う」と評する。

伸び盛りの大学1年生は、「4年後もここに立って、次は兄ちゃんと2人でメダルを取って、もっとスノーボードを盛り上げられたら」。ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪で兄の連覇を阻むのは、弟かも知れない。【奥岡幹浩】