北京五輪(オリンピック)7位入賞の三浦璃来(20)、木原龍一(29)組(木下グループ)が、71・58点で3位発進した。

中盤の3回転ルッツのスロージャンプで三浦の着氷が乱れ、出来栄え点(GOE)で2・42点の減点。北京五輪6位で首位発進したクニエリム、フレイジャー組(米国)とは5・30点差となった。三浦は「ミスはあったんですけれど、きちんと自分たちのやれることは出し切りました。本当に最後の『ハレルヤ』なので笑って終わろうと思って、心の底から出た笑顔でした」と演技後も笑っていた。

SP曲は昨季から使用する「ハレルヤ」。来季は新プログラムを予定しており、この日が競技会では最後の演技だった。昨季は新型コロナウイルスの影響により、初披露が1年前の世界選手権(ストックホルム)にずれ込んだ。今季のグランプリ(GP)シリーズ2試合連続表彰台、五輪での躍進も「ハレルヤ」とともにあった。木原は「そこ(昨季の世界選手権)では世界で戦える自信はまだなかった。このプログラムがいてくれたので、僕たちが本当に世界で戦える自信がついていった。本当に感謝しかないです」と思いを込め、2人で滑りきった。

フリーは休む間もなく24日にやってくる。日本勢としては12年の高橋成美、マービン・トラン組(3位)以来の表彰台が見えてきた。三浦は「フリーはまたショートと違った雰囲気なので、私たちらしい演技ができるように頑張りたい」と誓い、木原も「失うものは元々何も持ってないので、とにかく明日も、今日と同じで全力で楽しんで、僕たちの持ち味を発揮できるように頑張りたい」と意気込んだ。「りくりゅう」は、心の底から演技を楽しむ。(モンペリエ=松本航)