2月の北京オリンピック(五輪)でドーピング疑惑が持ち上がり、金メダル最有力だったフィギュアスケート女子で4位に終わったカミラ・ワリエワ(15=ロシア)が、五輪後初の実戦に登場した。

ロシアのウクライナ侵攻を受け、開催中の世界選手権(フランス・モンペリエ)から除外されたロシア勢が、反発して真裏に設定した国内大会「チャンネル・ワン杯」に出場。国営テレビの名を冠した団体戦形式の試合で、初日にショートプログラム(SP)が行われ、女子はワリエワが83・63点で首位発進した。

北京五輪で失敗したトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は回避。それでも世界最高記録保持者はハイスコアをマークした。2位は北京五輪金メダルのアンナ・シェルバコワ(17)で82・90点、3位は同代表を逃したエリザベータ・トゥクタミシェワ(25)で81・63点。銀メダルのアレクサンドラ・トルソワ(17)は出場していない。

ワリエワは北京五輪の団体でSP、フリーともに1位。ロシア・オリンピック委員会(ROC)の1位に貢献した直後、昨年12月に採取された検体から禁止薬物トリメタジジンが検出されたことが明るみに出た。

スポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定で五輪出場の継続は認められたが、五輪史に残る騒動の中で心が壊れたかのように、個人ではミスを連発。SPは首位を守ったものの、フリーで転倒が相次ぎ、4位まで沈んだ(成績は暫定)。

この国内大会には、ロシアを支援したとして同じく排除されたベラルーシも参加。フリーは27日(日本時間28日)に行われる。